

今回のプロジェクトで、僕たちが一番向き合ったのは、
フジタさんが大切にされている「細心設計」という言葉の本質を、どう整理して、読む人に届けるか、という問いでした。
「細心設計」という言葉自体は、以前からあったものです。
ただ、その意味や背景がまだ言語化されていなかったので、まずはそこを丁寧に掘り起こすところから、このプロジェクトは始まりました。
打ち合わせでは、実際のモデルハウスを見せていただきながら、
「なぜこの場所に収納があるのか」「この窓の高さには、どんな意図があるのか」
「家事の動線がなめらかに感じられるのは、なぜなのか」という細部の問いを、一つひとつ丁寧にひもといていきました。
そこで見えてきたのは、”ちょっとした手間をいとわないことで、暮らしの質を確かに高めている”というフジタさんの姿勢でした。
そこで制作では、細心設計を
「細かな部分への心配りを積み重ね、住む人の日常をすこし心地よくする設計思想」
として定義し、すべての文章の軸に据えることにしました。
施工事例の紹介文では、空間そのものの美しさだけを伝えるのではなく、
光の流れや風の抜け、動線、収納量といった”暮らしの質を静かに支える細部”が、自然と伝わるような表現を心がけました。
写真の選び方も同じ考え方で、ただ美しいだけのカットではなく、「このひと手間が、日々の暮らしを変えている」と感じてもらえるものを優先しました。
フジタさんの家づくりの本質を、シンプルで伝わりやすく、でもちゃんと心に届く形に整えていくこと。それが、今回の制作でいちばん大切にしたことだったと思います。