ブランディングは何から始めるべきか
最近、お問い合わせの内容がはっきりと変わってきました。以前は「ロゴを変えたい」「Webサイトを直したい」というご相談が中心でしたが、いまは9割近くが「ブランディングをお願いしたい」というご依頼です。
ロゴなどの表現だけを整えても顧客に選ばれ続けるのは難しいと、多くの経営者の方が感じ始めている時期なのだと思います。
ブランディングで重要なのは、最終的なロゴやWebサイトの完成形ではなく、それを作るまでの対話のプロセスだと僕は考えています。
何のためにブランディングを行うのかを確かめる
「ブランディングをやりたい」というご相談を受けたとき、僕はまず「何のために行うのか」を一緒に確かめにいきます。
ブランディングは目的そのものではなく、目的を達成するための手段だからです。何を達成したいのか、誰に届けたいのかがあいまいなままでは、どれだけ立派なロゴをつくっても、期待する効果は出ないように思います。
ビジョンから順番に言葉を整える
進め方として、僕はビジョン、ミッション、ブランドコンセプトの順番で整えていくことが多いです。
会社としてどんな未来をつくりたいかがビジョンです。その未来のために、自社が社会に何をするかがミッションです。そして、お客様にどう感じてもらいたいかがブランドコンセプトです。この順番で言葉を整えていくと、後の工程であるロゴの制作やWebサイトの構築、採用活動の軸がぶれにくくなります。
価値が伝わらない原因は表現の手前にある
「自社の価値がお客様に伝わっていない」という悩みは本当によく聞きます。でも、僕はこれを原因ではなく、結果だととらえています。
ビジョンやミッションが言葉になっていないため、社内で語る言葉がそろっていません。だから外部にもぼんやりとしか届かないのです。価値が伝わらない原因は、表現よりも手前の言語化にあることが多いです。
外部の人間と対話して自社の価値を引き出す
自社の価値が伝わらないもうひとつの理由は、社内では当たり前すぎて、自分たちの価値がもう見えなくなっていることです。
この状況を解決するには、外部の人間と一緒に情報を整理する場をつくるのが一番の近道だと思います。僕自身、仕事のなかで一番時間を使っているのは、そういった意見を交わす壁打ちの時間かもしれません。
社内に眠っていた当たり前を引き出し、経営者の言葉を社員が使える言葉に翻訳していく。そうした地道な対話のプロセスにこそ、ブランディングの本当の価値があるのではないかと思っています。