外部キャリア面談の導入方法|対象者・頻度・守秘義務・社内への伝え方
外部のキャリアコンサルタントによる社員面談を取り入れたいと思ったとき、実際に導入しようとすると、さまざまな疑問が出てきます。
「最初から全社員を対象にした方がよいのか」
「面談は、どのくらいの頻度で行えばよいのか」
「社員が話した内容を、会社はどこまで知ることができるのか」
「社員には、どのように説明すれば警戒されないのか」
外部キャリア面談を導入するためには、会社が導入目的を明確にし、対象者や情報共有のルールを決め、社員へ丁寧に説明する必要があります。
この記事では、外部キャリア面談を導入するときに会社が決めておきたいことを、実際の流れに沿って解説します。
外部キャリア面談が必要か確認する
外部キャリア面談は、すべての会社が同じ方法で導入するものではありません。
まずは、自社にどのような課題があるのかを確認します。
次の項目に複数当てはまる場合は、社内の1on1や人事面談に加えて、外部との対話の機会を設けることをおすすめします。
- 退職を申し出られて、初めて社員の悩みを知ることが多い
- 社員が上司以外に相談できる相手がいない
- 社長や管理職が人事の役割を兼任している
- 管理職が部下との面談に負担を感じている
- 1on1を実施しているが、業務報告だけで終わっている
- 若手社員が数年以内に退職することが続いている
- 中堅社員のモチベーションが低下している
- 社員が今後の成長やキャリアを描けていない
- 異動や昇進を本人の希望と十分にすり合わせられていない
- 社員の強みを生かした役割を考えたい
- 社内アンケートを実施しても、具体的な改善につながらない
- 経営者と社員の認識にズレを感じている
大切なのは、「社員の本音を知りたい」という目的だけでなく、面談を通して会社が何を実現したいのかまで考えることです。
社員が自分の強みや価値観を理解することなのか。退職する前に相談できる環境をつくることなのか。管理職の負担を軽減することなのか。人材育成の課題を把握することなのか。
目的が異なれば、対象者や面談の内容、実施頻度も変わります。
対象者はどう決める?
外部キャリア面談を初めて導入する場合、最初から全社員を対象にする必要はありません。
会社の課題に合わせて、対象者を決めます。
入社1年以内の社員
入社前に抱いていたイメージと、実際の仕事内容や職場環境の違いを整理します。
分からないことを質問できているか、社内に相談できる相手がいるか、仕事の役割を理解できているかなどを確認し、早期離職の予防につなげます。
若手社員
現在の仕事で身についたこと、今後経験したいこと、この会社でどのように成長できるかを整理します。
上司へ直接は言いにくい不安や希望を、本人が伝えられる言葉に変える機会にもなります。
中堅社員
一定の仕事を任されている一方で、今後の役割や成長の方向性が見えにくくなりやすい時期です。
管理職を目指すのか、専門性を高めるのか、別の業務に挑戦するのかなど、本人の価値観や強みを踏まえて考えます。
新任管理職
部下との関わり方や仕事の任せ方、自分が担うべき役割を整理します。
管理職自身が悩みを相談できる場としても活用できます。
育児休業や介護休業から復職する社員
生活の変化を踏まえ、今後の働き方や仕事との関わり方を整理します。
会社に希望を伝えるだけでなく、本人が何を大切にしながら働きたいのかを考える時間にします。
希望する社員
社員自身が必要だと感じたときに申し込める方法です。
ただし、希望制だけにすると、「相談していることを知られたくない」と考える社員が利用しにくいことがあります。
全員が一度体験したうえで、その後は希望制にする方法もあります。
実施頻度と時間の目安
外部キャリア面談に、すべての会社に共通する最適な頻度はありません。
目的や対象者に合わせて設定します。
| 対象・目的 | 頻度の目安 | 1回の時間 |
|---|---|---|
| 全社員の定期的なキャリア支援 | 半年に1回 | 60分 |
| 入社後の定着支援 | 入社1・3・6か月後 | 60分 |
| 若手社員の継続支援 | 2〜3か月に1回 | 60分 |
| 中堅社員のキャリア整理 | 半年に1回 | 60〜90分 |
| 新任管理職の支援 | 月1回または隔月 | 60分 |
| 希望者の相談窓口 | 必要時 | 60〜90分 |
社員が自分の経験や価値観を振り返る場合、60分以内では十分に整理できないことがあります。
最初の面談は60分程度とし、継続面談では状況に応じて時間を調整する方法もあります。
また、一度面談を行って終わるのではなく、面談で決めたことを仕事で試し、次の面談で振り返れるようにすると、本人の行動につながりやすくなります。
会社へのフィードバックで確認したい項目
外部のキャリアコンサルタントから会社へ報告を受けるときは、個人の発言ではなく、組織の傾向を確認します。
- 社員が仕事にやりがいを感じる場面
- 生かされている強みと、生かされていない強み
- 社員が負担を感じやすい状況
- 役割や仕事の目的に対する理解
- 相談経路の分かりやすさ
- 上司との対話で困っていること
- 今後経験したい役割の傾向
- 人材育成について不足していること
- 経営者と社員の認識が異なる部分
- 会社として優先的に見直したい課題
「誰が何を言っていたか」ではなく、「複数の社員にどのような傾向があるか」を確認します。
外部キャリア面談が機能しにくい会社の特徴
外部キャリア面談を導入しても、次のような状態では機能しにくくなります。
- 社員が話した内容を会社がすべて知ろうとする
- 面談の目的を社員へ説明していない
- 面談を受ける社員を「問題のある人」のように扱う
- 会社が社員の要望を聞くだけで返答しない
- 経営者や管理職がフィードバックを受け入れない
- 外部の専門家に社員の問題解決をすべて任せる
- 面談後に仕事で試せる機会がない
- 一度実施しただけで、効果がないと判断する
外部キャリア面談は、会社の代わりに社員を説得したり、退職を引き止めたりする制度ではありません。
社員が自分の考えを整理し、会社へ必要なことを伝えられるようにすること。会社が社員の声を受け取り、組織として変えられることを考えること。
その両方があって、初めて面談が人材育成や組織改善につながります。
Think for Designは、導入設計から組織改善まで支援します
Think for Designでは、社員との面談だけを切り離して実施するのではなく、導入前の設計から面談後の組織改善までを支援します。
会社が抱えている課題を整理し、対象者、実施頻度、社員への説明方法、情報共有の範囲を一緒に決めます。
面談では、社員が自分の価値観や強み、現在感じている働きにくさ、今後望んでいる役割を整理します。
本人が会社へ相談したいことが見つかった場合は、その内容を一方的な要望として伝えるのではなく、本人が上司と話し合える言葉に変え、実際に試せる行動を考えます。
社員の声を集めて終わるのではなく、仕事の任せ方、役割、1on1、人材育成、組織のコミュニケーションを見直すところまでつなげる。
外部キャリア面談を一度の相談機会ではなく、社員と会社が一緒に成長していく仕組みにすることを大切にしています。