外部キャリア面談はどんな会社に向いている?導入を検討したい5つのサイン
「社員の話を聞く必要性は感じているけれど、外部の人に面談を任せるほどなのだろうか」
「社内でも1on1をしているのに、外部キャリア面談を取り入れる意味はあるのか」
キャリア面談を外部に任せたいと感じても、自社に必要な支援なのか判断しにくい経営者や人事担当者の方もいると思います。
しかし外部キャリア面談は、すべての会社に必要なものではありません。
社内に安心して相談できる人がいて、社員の話を聞く時間も確保できている。面談で出た声を、役割や職場環境の改善につなげられている。そのような会社であれば、社内の対話だけで十分な場合もあります。
一方で、社員の変化に気づけない、面談をしても本音が出てこない、管理職が相談を抱えすぎているといった状況では、外部の面談者を入れることで対話が進みやすくなることがあります。
今回は、外部キャリア面談の導入を検討したい会社に見られる5つのサインを紹介します。
1.退職を告げられて初めて、不満や悩みを知る
社員から突然、「退職したい」と言われる。
理由を聞いてみると、
「以前から仕事の進め方に悩んでいました」
「今後も自分が働き続けているイメージが見えませんでした」
と、会社が初めて知る話が出てくる。
もしくは、
「家庭の事情でちょっと…」
などと、濁されて本当の理由がわからないまま退職してしまう。
このようなことが続いている場合は、途中の段階で話せる場所がなかった可能性があります。
社員自身も、はじめは「最近、仕事が合わない気がする」「このままでよいのか分からない」といった、本人にも説明しにくい違和感であることがあります。
その状態を一人で抱えるうちに、少しずつ会社を離れる方向へ気持ちが傾いていくこともあります。
外部キャリア面談では、退職するかどうかを確認する前に、本人の現在地を整理します。
何に負担を感じているのか。何を大切にして働きたいのか。現在の仕事で生かせていない経験はないか。会社へ相談できることはないか。
本人が考えを整理し、まだ選択肢がある段階で上司との対話につなげることが、外部面談の役割の一つです。
2.1on1をしても効果を感じない
定期的に1on1を行っていても、
「大丈夫です」
で終わってしまうことがあります。
これは、上司の聞き方だけが原因とは限りません。
社員にとって上司は、仕事を任せ、評価する立場でもあります。そのため、本音を話したら働きづらくなるのではないか、やる気がないと思われるのではないかと心配することがあります。
また、本人自身が何に困っているのか分からず、うまく言葉にできない場合もあります。
外部の面談者では、本人がまだ整理できていない考えから話し始められます。
なので、外部面談で自分の状態や希望を整理したあとに社内の1on1で、
「この業務にもう少し関わってみたいです」
「今の仕事では、ここに負担を感じています」
「今後の役割について相談したいです」
と、具体的に話せるようになることがあります。
外部キャリア面談が社内1on1の代わりになるわけではありません。外部面談で考えを整理し、社内1on1で仕事や役割について話し合うことで、それぞれの面談を生かしやすくなります。
3.経営者や管理職が、社員の相談を抱えすぎている
経営者は、売上や資金繰り、取引先、採用、雇用を守る責任を背負っています。管理職も、自分の業務を進めながら、部下の育成や評価、チームの成果を求められています。
その中で社員から不満を請け負いすぎると
「会社としては、これ以上できない」
「ほかの社員も頑張っている」
「まずは、本人がもっと努力するべきではないか」
と、口を出したくなることもあるでしょう。
会社の事情を説明することは必要です。ただ、本人がまだ自分の気持ちを整理している途中で答えを返すと、それ以上話さなくなることがあります。
経営者や管理職が、社員の人生や悩みをすべて背負う必要はありません。
本人の考えを整理する部分は外部の面談者が担当し、会社で実現できる役割や支援については上司と話し合う。このように役割を分けることで、管理職の負担も抑えられます。
4.社員の強みや経験を、仕事に生かしきれていない
会社の中では、社員のことを現在の仕事内容だけで見てしまうことがあります。
しかし、本人がこれまでの人生で身につけてきた力は、今の担当業務だけでは分かりません。
学生時代にイベントを企画していた。
趣味で写真や動画をつくっている。
前職で新人教育を担当していた。
家庭では、複数の予定を調整しながら物事を進めている。
地域活動で、人をまとめる役割を担っている。
仕事以外も含めて経験を振り返ると、会社がまだ知らない強みや関心が見つかることがあります。
外部キャリア面談では、これまでの経験や大切にしてきたことを振り返り、そこから価値観や強み、力を発揮しやすい環境を整理し、現在の仕事との接点を探します。
すぐに異動や大きな役割変更ができなくても、
「採用広報の記事づくりに参加してもらう」
「後輩への説明を一部任せてみる」
「お客様の声をまとめる役割を試してもらう」
といった小さな形から始められます。
人手不足の中で新しい人を採用する前に、今いる社員が持つ経験や強みを生かせているか確認したい会社にも、外部キャリア面談が役立つ場合があります。
5.人事担当者がおらず、相談先が限られている
中小企業では、専任の人事担当者がいないことも珍しくありません。
社員の相談相手が直属の上司か経営者だけになり、どちらにも話しにくい内容は、そのまま本人の中に残ってしまうことがあります。
相談窓口を社内につくっても、担当者との関係が近いほど、
「話した内容が上司へ伝わらないか」
「今後の評価に影響しないか」
「誰が相談したのか分かってしまうのではないか」
と心配する社員もいます。
外部キャリア面談では、情報を次のように分けて扱います。
- 本人だけにとどめる内容
- 本人の同意を得て、上司との対話に使う内容
- 個人を特定せず、組織改善に使う共通傾向
本人の同意なく、家族関係や過去の体験、感情の詳細を会社へ伝えることはありません。
会社には、本人が共有に同意した役割の希望や必要な支援、複数の面談から見えた共通傾向を伝えます。
人事担当者がいない会社にとって、社員が安心して話せる場所を社外につくることは、社内で拾いきれない声を把握する方法の一つになります。
当てはまる項目があっても、すぐに全社員へ行う必要はない
5つのサインに当てはまるものがあっても、最初から全社員を対象にする必要はありません。
まずは3~5人ほどの少人数から試す方法があります。
たとえば、
- 入社から数年が経ち、今後の役割を考えたい社員
- 複数の業務を抱え、強みを生かしきれていない社員
- 管理職候補として、今後の方向性を整理したい社員
- 社内1on1だけでは考えを整理しにくい社員
などから始めます。
実施後は、面談を受けた社員の満足度だけでなく、
- 自分の状態や希望を言葉にできたか
- 上司へ相談する内容が具体的になったか
- 小さく試したい行動が決まったか
- 実際の役割や業務に変化があったか
- 会社として見直したことがあったか
を振り返ります。
少人数で試しながら、対象者や頻度、会社への共有方法を調整すると、自社に合った形をつくりやすくなります。
Think for Designでは、本人の気づきを仕事と組織につなげます
Think for Designの外部キャリア面談では、カウンセリング・コーチング・コンサルティングを組み合わせて行います。現在の仕事内容だけでなく、本人が話せる範囲で、これまでの人生や経験から振り返っていきます。
そこから本人の価値観や強み、関心、力を発揮しやすい環境を整理し、現在の仕事との接点を考えます。
面談で見つけたことは、本人が上司へ相談できる言葉に整え、小さな役割や行動として職場で試し、キャリア自律を促していきます。
会社へは、本人が共有に同意した内容や、個人を特定できない共通傾向を伝え、業務分担、役割、コミュニケーション、育成体制の改善につなげます。
退職を告げられるまで社員の変化が分からない。
1on1をしても、本音が見えてこない。
社員の力を、今の仕事に生かしきれていない。
そのような状態が続いている場合は、社員との対話の一部を社外へ任せる方法を考えてみませんか。
まずは3~5人ほどの少人数から、自社に合う進め方を一緒に整理します。