外部キャリア面談の効果はどう測る?
外部キャリア面談を会社へ取り入れるとき、経営者や人事担当者として気になるのが、
「実施して、どのような効果があるのか」
「費用をかける意味があったと、何をもって判断するのか」
ということではないでしょうか。
社員から「話せてよかった」という感想があっても、それだけでは会社として継続すべきか判断しにくいですよね。
一方で、面談を始めてすぐに離職率が下がるとは限りません。離職には、給与、仕事内容、人間関係、家庭の事情、健康状態など、さまざまな要因が関係しているからです。
外部キャリア面談の効果を測るときは、離職率だけではなく、社員本人、上司との関係、会社の仕組みにどのような変化が生まれたかを段階的に確認することが大切です。
まず「何のために実施するのか」を決める
効果を測る前に、会社として外部キャリア面談を導入する目的を整理します。
たとえば、
- 社員が辞めると言う前に、変化を把握したい
- 社員の強みや経験を、現在の仕事に生かしたい
- 社内の1on1では話しにくいことを整理できる場をつくりたい
- 管理職が社員の相談を一人で抱えないようにしたい
- 社員の声から、業務や組織の改善点を見つけたい
など、会社によって目的は異なります。
目的が「離職防止」だけでは、社員を会社へ引き留めるための面談になってしまう可能性があります。
外部キャリア面談は、退職しないよう説得する場ではありません。本人が現在の状態や今後の希望を整理し、会社でできることを考えるための場です。
まずは「面談によって、誰にどのような変化が生まれてほしいのか」を明確にすると、確認すべき項目も見えやすくなります。
本人の中に生まれた変化を見る
外部キャリア面談の最初の効果は、売上や離職率のような大きな数字ではなく、本人の中に現れることがあります。
たとえば、面談前には、
「なんとなく仕事が合わない」
「このままでよいのか分からない」
「何を上司へ相談したらよいか分からない」
と感じていた社員が、面談を通じて、
「負担になっていた原因が分かった」
「自分が大切にしたいことを言葉にできた」
「これまでの経験を生かせる仕事に気づいた」
「上司へ相談したい内容が整理できた」
「次に試してみたい行動が決まった」
という状態になることがあります。
一見すると、社員の中に生まれた小さな変化に思えるかもしれません。しかし、自分の中にある答えを見つけたり、これまで気づかなかった考えや可能性に気づいたりすることは、行動を変えるための大切なスタートです。
本人の中に納得できる答えがなければ、周囲から行動を促されても、変化は長く続きません。まず自分の状態を理解し、「これなら試してみたい」と思えることが、その後の相談や行動、役割の変化につながっていきます。
どんな行動につながったかを確認する
外部キャリア面談では、次に試せる行動まで整理することが大切です。
そこで、面談から1か月ほど経った段階で、小さな行動につながったかを確認します。
たとえば、
- 興味のある仕事を一部担当してみた
- 苦手だった相手との連携方法を変えた
- 業務量や仕事の進め方を相談した
- 自分の得意なことを周囲へ伝えた
- 半年後に向けた小さな目標を決めた
といった変化です。
すぐに配置転換や大きな役割変更ができなくても構いません。
一歩踏み出すことが、本人の自信を育てていくことにつながります。
上司との対話に変化があったかを見る
外部キャリア面談の効果は、本人だけでなく、社内の1on1や上司との関係にも表れます。
外部面談で考えを整理することによって、
「この業務にもう少し関わってみたいです」
「今は、この仕事の進め方に困っています」
「家庭との両立を考えると、今後の働き方を相談したいです」
と、具体的に話せるようになることがあります。
上司が社員の人生や悩みをすべて聞き出す必要はありません。
外部面談では、本人の経験や価値観を振り返り、考えを整理する。社内の1on1では、その内容をもとに、会社で実現できる役割や働き方を話し合う。
このように役割を分けることで、管理職の負担を抑えながら、社内の対話を具体的にできます。
効果を確認するときは、
- 社員からの相談が具体的になったか
- 困りごとを以前より早い段階で共有できたか
- 上司と社員の認識のずれが減ったか
- 役割や業務について話し合う機会が増えたか
- 管理職が一人で相談を抱え込まずに済んでいるか
という変化も見ていきます。
3か月を一つの区切りとして振り返る
外部キャリア面談の効果は、1回の面談直後だけで判断するのではなく、一定期間を設けて確認します。
たとえば3か月間実施する場合は、次のように振り返ります。
実施前
- 導入の目的を決める
- どのような変化を確認するか決める
- 社員へ目的と守秘義務を説明する
- 面談前の状態を簡単なアンケートで確認する
面談直後
- 自分の状態を整理できたか
- 次に試したい行動が見つかったか
- 上司へ相談したい内容が明確になったか
1~2か月後
- 実際に試した行動はあるか
- 上司や会社へ相談できたか
- 役割や業務に変化があったか
- 進めるうえで必要な支援はあるか
3か月後
- 本人、上司、会社にどのような変化があったか
- 複数の社員に共通する組織課題はあったか
- 会社として実施した改善はあるか
- 面談の対象者、頻度、進め方を見直す必要があるか
3か月ですべての成果を出すという意味ではありません。短期間で確認できる変化と、半年から一年かけて見る変化を分けるための区切りです。
「不満が増えたから失敗」とは限らない
面談を始めたことで、これまで表に出ていなかった不満や困りごとが見える場合があります。
そのため、
「面談を始めたら社員からの要望が増えた」
「以前より問題が多くなったように感じる」
ということもあるでしょう。
しかし、問題が新しく生まれたのではなく、これまで話せなかったことが見えるようになった可能性もあります。
相談が増えたことだけで、面談が失敗したとは判断できません。
見るべきなのは、その声を整理し、本人と会社が話し合い、対応できるものを改善につなげられたかどうかです。
反対に、社員から何も意見が出ないからといって、問題がないとも限りません。
発言の数だけで判断せず、話した内容が次の行動や対話につながったかを確認します。
Think for Designでは、面談後の変化まで一緒に考えます
外部キャリア面談の効果は、社員の満足度だけでなく、自分の状態への理解や上司との対話、役割や組織の変化からも見えてきます。
自己理解が進むと、これまで表に出なかった希望や困りごとが会社に届き、一時的に対応に戸惑うこともあります。まずは3~5人ほどから始め、社員の声をどう受け止め、仕事や組織の改善に生かすかを確かめる方法もあります。
Think for Designでは、面談後の変化を一緒に振り返り、社員の声を実際の役割や組織づくりにつなげます。