社内にブランドを育てる仕組みをつくる
新しいロゴやWebサイトが完成し、理念やブランドメッセージも整うと会社の雰囲気が大きく変わったように感じます。
しかし、数か月が過ぎると、少しずつ以前の状態に戻ってしまうことがあります。
Webサイトを更新する人がいない。
発信が止まっている。
社員に理念を伝えても、日々の仕事とのつながりまでは理解されていない。
新しい取り組みを始めるたびに、外部の会社へ判断を委ねている。
せっかく時間と費用をかけてブランドを整えても、社内に運用する人と仕組みがなければ、その価値を育て続けることはできません。
Think for Designが目指すのは、外部の支援がなければ維持できないブランディングではなく、社内の人が自分たちで考え、伝え、改善していける「自走型ブランディング」です。
ブランディングは、完成してからが始まり
ブランディングというと、ロゴやWebサイト、会社案内などを新しくつくることが思い浮かぶかもしれません。
これらは会社の価値を伝えるために必要なものです。しかし、制作物が完成することと、ブランドが会社に根づくことは同じではありません。
ブランドは、会社が掲げた言葉だけでつくられるものではないからです。
お客様への対応、商品の届け方、社員同士の関わり方、採用面接で伝える言葉、仕事の中で何を優先するか。こうした日々の判断や行動を通して、会社のブランドは少しずつ形づくられます。
そのため、外部の制作会社がロゴやWebサイトを完成させても、社内でその意味が共有されていなければ、時間とともに表現や行動がばらばらになっていきます。
反対に、経営者やコンサルタントがブランドの方向性を決めても、社員が自分の仕事との接点を理解できなければ、理念は経営者だけが語る言葉になってしまいます。
ブランディングで本当に必要なのは、完成したものを受け取ることだけではありません。
完成後も、自社でブランドを使い、確かめ、育てていける状態をつくることです。
自走型ブランディングとは
自走型ブランディングとは、外部の支援を一切使わず、社内だけですべてを行うことではありません。
必要に応じてデザイナーやライター、コンサルタントなどの専門家に相談しながらも、会社として大切にする価値や、発信する内容、施策の方向性を、自分たちで判断できる状態を指します。
たとえば、次のような状態です。
- 社員が会社の理念を、自分の仕事と結びつけて説明できる
- 発信する内容を、社内で考えられる
- ブランドに合う表現かどうかを、自社で判断できる
- お客様や求職者の反応をもとに、発信を改善できる
- 経営者だけでなく、複数の社員がブランドづくりに関わっている
- 外部の専門家へ、目的や要望を自分たちの言葉で伝えられる
専門的な制作まで、すべて社員が担当する必要はありません。
大切なのは、「何をつくるか」「なぜ伝えるのか」「自社らしい表現になっているか」という判断まで、外部へ任せきりにしないことです。
「作って終わり」になる会社に不足しているもの
ロゴやWebサイトを新しくしても、その後の発信が止まってしまう会社は、社内に次のような土台がない可能性があります。
会社らしさを判断する共通の言葉
「もう少し自社らしくしたい」と思っても、その「自社らしさ」が言葉になっていなければ、判断することができません。
経営者はよいと思っても、社員は違和感を持つ。広報担当者によって文章の雰囲気が変わる。制作会社へ依頼するたびに、見た目やメッセージが変わる。
こうしたずれを減らすためには、理念やブランドメッセージだけでなく、自社が大切にする価値や判断基準を共有する必要があります。
ブランドを動かす社内チーム
ブランディングを経営者一人や広報担当者一人に任せると、その人が忙しくなった途端に動きが止まります。
また、経営者だけで決めてしまうと、社員が自分たちのブランドとして受け取りにくくなることがあります。
経営、現場、採用、広報など、異なる立場の人が小さなチームとして関わることで、会社が伝えたいことと、現場で実際に起きていることをつなぎやすくなります。
大人数の部署をつくる必要はありません。中小企業であれば、まずは2〜4名ほどで役割を分ける方法もあります。
発信を続けられる人と仕組み
広報担当者を任命するだけでは、発信が続くとは限りません。
「何を書けばよいか分からない」「通常業務が優先される」「公開してよい内容を判断できない」という状態では、担当者個人の努力に頼ることになります。
必要なのは、文章やSNSの技術だけではありません。
- 社内から発信の材料を集める
- 誰に何を伝えるかを決める
- 会社らしい内容か判断する
- 経営者や現場へ確認する
- 公開後の反応を振り返る
この一連の流れを、社内で回せる広報人材を育てることが大切です。
社内にブランド推進チームをつくる
自走型ブランディングでは、ブランドづくりを特定の人だけの仕事にしません。
中心となるブランド推進チームをつくり、社内の声を集めながら、経営と現場、社内と社外をつないでいきます。
ブランド推進チームが担う役割には、次のようなものがあります。
- 会社が大切にする価値や判断基準を整理する
- 社員やお客様から、会社らしさが表れた出来事を集める
- 採用、広報、営業などで伝える内容を考える
- 発信や制作物がブランドの方向性と合っているか確認する
- 社内外の反応を振り返り、次の施策へ反映する
- 理念と現場の行動にずれがあれば、社内で話し合う
ブランド推進チームは、制作物を管理するだけのチームではありません。
社内にある価値を見つけ、それを言葉にし、社内外へ伝え、得られた反応を再び組織へ戻す役割を担います。
広報人材を育てることが、自走への鍵になる
会社の中には、発信の材料が数多くあります。
お客様から喜ばれた対応。
社員が工夫した仕事。
失敗から改善したこと。
新人を育てるために続けていること。
会社では当たり前になっている、丁寧な習慣。
しかし、それを見つけて言葉にする人がいなければ、社外へ伝わることはありません。
自走型ブランディングにおける広報担当者は、単にSNSを更新する人ではありません。
社員や経営者へ話を聞き、会社の中にある価値を見つけ、読者に伝わる形へ整える人です。同時に、外から得られた反応を社内へ持ち帰り、次の改善につなげる人でもあります。
広報人材を育てることは、発信業務を社内へ移すためだけではありません。
社員が自分たちの会社を理解し、価値を言葉にし、必要な人へ届けられる力を社内に残すことです。
外部の支援者は、答えを持ち続ける人ではない
自走型ブランディングでも、外部の専門家は必要です。
社内だけでは気づきにくい価値を見つける。経営者と社員の認識の違いを整理する。専門的な制作や調査を行う。社内の人が判断できるようになるまで伴走する。
外部だからこそ担える役割があります。
ただし、外部の支援者だけが答えを持ち続けていると、支援が終わった後に会社は判断できなくなります。
そのため、支援中から少しずつ社内へ役割を渡していくことが必要です。
最初は外部の支援者が会議を進める。
次は社員が一部を担当する。
その後は、社員が進め、必要なときだけ外部へ相談する。
このように、会社の状態に合わせて判断や運用を社内へ移していきます。
自走とは、外部との関係を切ることではありません。外部へ依存する関係から、必要なときに専門性を活用できる関係へ変わることです。
Think for Designが目指す「自走型ブランディング」
Think for Designは、見た目を整えるところだけでなく、そのブランドを社内で育て続けられる状態まで支援します。
社員や経営者との対話から、会社が大切にしてきた価値を見つける。
その価値を、理念やブランドの言葉にする。
社員一人ひとりの仕事や役割との接点をつくる。
社内にブランド推進チームをつくる。
発信を担う人材を育てる。
Webサイトや採用広報、デザインを通して社外へ伝える。
反応を振り返り、もう一度、組織や発信へ戻す。
この循環を、外部だけで動かすのではなく、社内の人と一緒につくっていきます。
私たちが目指すのは、支援がなくなったら元へ戻ってしまう会社ではありません。
外部の力を適切に借りながらも、自分たちの価値を自分たちで考え、言葉にし、伝え続けられる会社です。
ロゴやWebサイトをつくって終わるのではなく、社内に人と仕組みを残す。
それが、Think for Designの考える自走型のブランディングです。
現在のブランドが社内でどの程度共有されているか、発信や運用を誰が担っているかを整理したい企業には、ブランド推進チームの立ち上げや広報人材の育成を含めてご提案します。