お知らせを増やしても、応募は増えない
広報の担当になった方から、聞くことがあります。更新は必要だと思うけれど、何を書けばいいのか分からない、というものです。
それで、とりあえずお知らせを増やす。イベントの告知、参加報告、季節のあいさつ。数は増えていく。ただ、問い合わせも応募も、あまり変わらない。
ここでつまずくと、更新そのものが意味のないことに見えてきます。実際には、更新の頻度ではなく、足しているものの種類が違っているだけ、ということが多いように思います。
採用サイトも想像で組み立てている
採用サイトでも会社案内でも、作っているあいだ、僕らはほとんど想像で決めています。
誰が見るか。どこから来るか。最初にどこを読むか。何が分かれば応募しようと思うか。根拠はあります。現場の話を聞いて、これまで見てきたものと照らして決めています。それでも、想像であることは変わりません。
公開して、初めて実際の人が来ます。そこで、想像していたのと違うところが必ず出てきます。読んでほしかったページが読まれていなくて、あまり力を入れていなかったページがよく見られている。
公開した日というのは、完成した日ではなくて、答え合わせが始まる日なのだと思います。
読む人が探しているのは判断の材料
更新と聞くと、たいていはお知らせを増やすことになります。ただ、告知が並んでも、見る人の判断はあまり動きません。知りたいのが、今日の出来事ではないからです。
読む人が探しているのは、ここに頼んでいいか、ここで働いていいかを決めるための材料のほうです。
僕がやっているもう一つの会社、アプリコットデザインの場合、それは制作実績でした。始めたころ、サイト経由で問い合わせは入るようになったのに、受注につながらない時期があったんです。理由はあとから分かりました。載っている実績が数点しかなくて、信頼性が足りていなかった。実績が数点の会社に大事な仕事を頼めるかというと、自分がお客様の立場でも、たぶん頼まないと思います。
採用でいえば、同じ場所にあるのはこのあたりだと思っています。入って最初の一年に何をするのか。教える人が誰なのか。失敗したときにどうなるのか。社内の雰囲気が伝わる写真も要りますが、迷っている人が最後に読むのは、そういう地味なところのほうかもしれません。
何が決め手かは、会社によって違います。ただ、たいていは面接や商談で一番よく聞かれることです。よく聞かれるのに、まだ載せていないものが、だいたい一つか二つあります。
足す前に見る場所を一つ決める
何を足すかを決める前に、やることがあります。どのページが見られているかを見ることです。
見る道具は、今はだいたい無料で入っています。ただ、開いても数字が並んでいるだけで、どこを見ればいいのか分からない。なので、見る項目は一つに決めてしまいます。よく読まれたページの並び順です。想像とのズレは、たいていそこに出ます。
ズレが見つかると、あれもこれも直したくなります。でも、一度に直すと何が効いたのか分からなくなるので、一か所だけ直して、しばらく様子を見る。遅く感じますが、まとめて直して結果が変わらなかったときのほうが、あとが困ります。
本数を目標にすると決め手が残らない
広報の仕事は、成果が見えにくいところがあります。だから、更新した本数のような、数えられるものが目標になりやすい。
ただ、書くこと自体が目的になってしまうと、数だけ増えて、決め手がないままになります。月に一本でも、判断の材料になるものを置いたほうが効いてきます。
もう一つ思うのは、これが担当者一人で決められることではない、というところです。面接や商談で何が一番よく聞かれるかを知っているのは、現場の人だからです。広報が育つ会社というのは、その情報が広報のところまで戻ってくる会社なのかもしれません。
まずは、どのページがよく見られているかを見るところから。思っていたのと違えば、そこが次に手を入れる場所です。