会社の強みを言葉にできていますか?当たり前の仕事を「伝わる価値」に変える方法
自社のホームページをつくり、SNSで情報を発信することで、会社が自分たちの考えや仕事について、直接伝えやすい時代です。
しかし、会社の価値は、発信を始めれば自然に伝わるわけではありません。
まずは、自分たちの中にある価値を見つけ、社外の人にも分かる言葉へ変える必要があります。
社内では当たり前でも、社外の人には分からない
長く同じ仕事をしていると、仕事内容や仕事の進め方が当たり前になっていきます。
業界内では通じる言葉でも、一般のお客様や求職者には意味が伝わらないことがあります。
例えば、求人票に、
「専用システムを使用した事務処理」
と書かれていても、実際に何をする仕事なのかは想像しにくいです。
しかし、
「お客様から届いた注文内容を確認し、商品名や数量を専用システムへ入力する仕事」
と言い換えると、未経験の人でも実際の作業を思い浮かべやすくなります。
また、会社案内に、
「地域密着で丁寧な対応を行っています」
と書くだけでは、ほかの会社との違いが見えません。
そこで、
「お客様から相談をいただいたときは、担当者ができる限り直接現場を確認し、状況に合った方法をご提案しています」
と伝えると、その会社が考える「丁寧な対応」が具体的になります。
言葉を分かりやすくすることは、実際以上によく見せることではありません。
社内では当たり前になっている仕事を、初めて知る人にも理解できる形へ翻訳することです。
会社の特徴を3つ聞かれても、すぐには答えにくい
会社の特徴や、事業のアピールポイントを3つ挙げてください。
そう聞かれたときに、
「何だろう」
「特別なことはしていない」
「他社も同じだと思う」
と答える企業は少なくありません。
「地域密着」
「高い技術力」
「アットホームな職場」
といった言葉は出てきても、その根拠となる経験までは整理されていないことがあります。
これは、会社に強みがないからではありません。
会社の中にいる人ほど、日頃の工夫や判断を特別なものとして見ていないからです。
例えば、
- 急な依頼にも対応できるよう、社員同士で予定を共有している
- 作業後に別の社員が確認し、ミスを防いでいる
- お客様の希望をそのまま受け取らず、使用する場面まで聞いている
- 新しく入った社員が困らないよう、現場で生まれた工夫を残している
- 担当者が休んでも対応できるよう、情報をチームで共有している
こうした仕事の進め方も、会社の強みになります。
しかし、日常の中に溶け込んでいるため、あらためて聞かれなければ言葉にはなりません。
会社の強みは、考え込むより経験から探す
会社の強みを見つけるときに、最初から格好のよい言葉をつくろうとすると、抽象的な表現になりやすくなります。
まずは、実際に起きたことを出していきます。
例えば、次のような質問から振り返ります。
- お客様から、どのようなことを褒められましたか
- 他社ではなく、自社が選ばれた理由は何でしたか
- 急な問題が起きたとき、どのように対応しましたか
- 社員が自分で考え、工夫したことはありますか
- 新しく入った社員が、驚いたことはありますか
- 社員同士で自然に助け合っていることはありますか
- お客様のために、あえて手間をかけていることはありますか
一人で考えると「普通のこと」で終わってしまいますが、社員同士で話してみると、
「それは他社でも当たり前ではないかもしれない」
「その対応がお客様に喜ばれていた」
「昔から大切にしてきた考えが、今の仕事にも残っている」
と気づくことがあります。
社員の経験には、会社らしさが表れている
会社の価値を見つけるとき、経営者の考えだけでなく、社員の経験を聞くことも大切です。
同じ会社で働いていても、経営者と社員では見えているものが違います。
経営者は、事業の方向性や会社全体を考えています。
一方、社員は、
- お客様とどのような会話をしているか
- 現場で何に気をつけているか
- 困ったときに誰が助けてくれるか
- どのような工夫によって仕事が進んでいるか
- この会社で働き続けている理由は何か
を、自分の経験として持っています。
例えば、会社では「チームワークを大切にしている」と考えていても、それだけでは外部の人には伝わりません。
社員から、
「急な休みが出たときは、誰か一人に負担が偏らないよう、できる仕事を出し合って調整しています」
という話が出てくれば、その会社のチームワークが具体的に見えてきます。
社員の経験を集めることで、理念が実際の仕事にどのように表れているのかを確認できます。
アウトプットしてから、共通する価値をまとめる
会社の価値を言葉にするときは、最初から一つの答えにまとめる必要はありません。
まずは、経営者や社員が持っている経験、考え、工夫をできるだけ外へ出します。
そのうえで、
- 複数の社員に共通している行動
- お客様から繰り返し評価されていること
- 会社として譲れない判断基準
- 他社との違いが表れている仕事の進め方
- 今後も残したい文化
を整理します。
例えば、複数の社員から、
「お客様の言葉をそのまま受け取らず、何に困っているのかを確認している」
という経験が出てきたとします。
そこから、
「私たちは、依頼されたものを提供するだけでなく、お客様が本当に困っていることを一緒に整理する会社です」
という会社の特徴が見えてきます。
このように、会社の強みは最初から用意された言葉ではなく、日々の仕事から見つけていくものです。
言葉になった価値は、さまざまな場面で使える
会社の強みや仕事の価値を言葉にできると、ホームページやSNSだけでなく、さまざまな場面で活用できます。
- 求人票で、どのような会社なのかを伝える
- 採用ページで、求める人物像を具体的にする
- 社員紹介で、働く人の考えや強みを伝える
- 営業資料で、他社との違いを説明する
- 新入社員へ、仕事で大切にしていることを伝える
- 社内で判断に迷ったときの基準にする
外へ発信するために見つけた言葉が、社内の共通認識にもなります。
「私たちは何を大切にしている会社なのか」
「どのような仕事で、お客様の役に立っているのか」
を社員も説明できるようになると、発信を一部の担当者だけに任せず、会社全体でブランドを育てやすくなります。
Think for Designでは、会社の中にある価値を一緒に言葉にします
Think for Designでは、経営者だけから答えを聞き、外向けの言葉をつくるのではありません。
会社の「トリセツづくりワークショップ」や社員へのコーチングを通して、
- 経営者が大切にしている考え
- 社員が自然に発揮している強み
- 現場で続けられている工夫
- お客様から評価されていること
- 今後も残したい会社らしさ
- これから改善したい課題
を一つずつアウトプットし、整理します。
その内容を、社員の役割、組織づくり、採用、広報、ホームページ、デザインへつなげていきます。
会社の魅力は、外から新しく付け足すものばかりではありません。
すでに社内で行われている仕事や、社員が何げなく続けている行動の中に、その会社ならではの価値が隠れています。
自社の特徴やアピールポイントを聞かれたときに、自信を持って答えられる会社になるために。
まずは、自分たちの仕事と社員について、言葉にしてみませんか。