研修とコーチング、今の会社にはどちらが必要?
社員の成長を支援したいと考えたとき、
「まずは研修をした方がよいのか」
「一人ひとりに合わせてコーチングを受けてもらった方がよいのか」
と迷うことがあります。
研修なら、複数の社員へ同じ内容を伝えられます。一方、コーチングは個別に行うため、時間も費用もかかるように感じるかもしれません。
ただ、どちらが効果的かと考えるより
今の会社が抱えている課題や、社員の状態によって、必要な支援は変わるのです。
最初から大きな研修を企画するのではなく、数人の社員や経営者がコーチングを受けてみる。そこで見えてきた課題に合わせて、研修やワークショップを行う。
そのような順番で、少しずつ始める方法もあります。
共通して身につけたいことがあるなら研修
研修は、複数の社員に共通する知識や考え方、仕事の進め方を伝えたいときに向いています。
例えば、
- 管理職に部下との関わり方を学んでほしい
- 1on1の目的や進め方を共有したい
- 接客やコミュニケーションの基本をそろえたい
- 会社の理念や今後の方向性を考えたい
- チーム内の役割や連携方法を見直したい
といった場合です。
同じ内容を一緒に学ぶことで、社員同士に共通の言葉が生まれます。
ただし、会社が「必要だと思うこと」と、社員が「困っていること」がずれている場合もあります。
会社はコミュニケーション研修が必要だと考えていても、実際には仕事量の偏りや役割の曖昧さが、対話を難しくしているのかもしれません。
課題が十分に整理されていないまま研修を行うと、社員から「よい話だったけれど、今の職場では実践できない」と思われてしまうことがあります。
一人ひとりの考えを整理したいならコーチング
コーチングは、本人が自分の考えや現在の状態を整理し、次に取り組むことを見つけたいときに向いています。
同じ会社で同じ仕事をしていても、抱えている悩みや大切にしていることは一人ひとり異なります。
もっと仕事を任せてほしい人もいれば、現在の業務を整理したい人もいます。
自分の強みを生かしたいけれど、どのような仕事に向いているのか分からない人もいます。
面談では、すぐに会社への要望を聞くのではなく、
社内ではなかなか時間をかけて取り組めない自己理解の観点から一緒に整理していきます。
本人が自分の状態を理解し、上司へ相談したいことや、まず自分で試したいことを言葉にできると、日常の行動にもつながりやすくなります。
まずは経営者や数人の社員から試してもいい
全社員を対象に始めようとすると、会社側の準備も必要になり、導入のハードルが高くなります。
そのため、まずは経営者や管理職、希望する社員など、数人からコーチングを試してみる方法もあります。
経営者が受けることで、
「自分は社員へ何を期待しているのか」
「なぜ仕事を任せられないのか」
「どのような会社にしていきたいのか」
を整理できることもあります。
社員へ導入する場合は、3か月など期間を決めて試し、本人の中にどのような変化があったかを確認します。
個人でも、自分のキャリアや働き方を考えるために、コーチングを受けたいと思う人がいます。
そのため、会社が希望する社員へ利用できる機会を用意することは、福利厚生に近い支援として考えることもできます。
「困ったときに相談できる場所がある」「会社が自分たちの成長を考えてくれている」と感じられることは、社員にとって一つの安心材料になります。
採用や広報でも、制度があることだけを伝えるのではなく、社員がどのように利用でき、会社がどのような思いで用意しているのかまで説明できれば、人を大切にする会社の姿勢として伝えられます。
コーチングで見えた課題を、研修やワークショップにつなげる
個別のコーチングを行うと、会社全体に共通する課題が見えてくることがあります。
例えば、
- 上司へ相談するタイミングが分からない
- 仕事の目的や優先順位が共有されていない
- 社員が自分の強みに気づいていない
- 経営者の思いが現場へ十分に伝わっていない
- 役割が曖昧で、一部の社員に負担が集中している
といったことです。
個人の面談内容をそのまま会社へ共有するのではありません。
本人が共有に同意した内容や、個人を特定できない共通傾向をもとに、会社として取り組める課題を整理します。
そのうえで、必要なタイミングに合わせて、
「自分とチームの強みを知るワークショップ」
「会社の強みを伝える広報・採用ワークショップ」
「管理職のためのコーチング研修」
「個人の強みを社内に活かすブランディングワークショップ」
などを実施します。
先に社員や経営者の声を整理しているため、その会社の実情に合った内容を考えやすくなります。
社内を整えることが、会社の見せ方にもつながっていく
コーチングや研修は、社員の悩みを解決することだけが目的ではありません。
一人ひとりが自分の強みを知り、チームの役割や会社が大切にしていることが言葉になると、その内容は会社の外へ伝える魅力にもなります。
「社員を大切にしています」と書くだけではなく、どのような対話の機会があるのか。
「社員が活躍できる会社です」と書くだけではなく、実際にどのように強みを見つけ、役割へつなげているのか。
社内で実際に行っていることがあるからこそ、求人票、採用ページ、会社案内、SNSでも、具体的な言葉で伝えられるようになります。
会社の内側を整えることと、ブランディングや見せ方は、別々のものではありません。
コーチングやワークショップに取り組んでみて初めて、「社員の成長を支えることが、そのまま会社の魅力を育てることにつながっている」と実感できることもあります。
今の会社に必要なところから始める
研修とコーチングのどちらが正解かを、最初から決めず、
共通して学びたいことが明確なら、研修やワークショップから始める。
まだ課題がはっきりしていないなら、経営者や数人の社員へのコーチングから始める。
大切なのは、実施すること自体を目的にせず、そこで見つかったことを、次の行動や役割、組織の仕組みへつなげることです。
Think for Designでは、経営者や社員へのコーチングから、課題に合わせた研修・ワークショップの設計、会社の魅力を伝えるブランディング・デザインまで一貫して対応しています。
まずは数人から試してみたい。
自社には研修とコーチングのどちらが合うのか整理したい。
そのような段階からでも、お気軽にご相談ください。