人に任せる仕事と、会社に残す情報の分け方
人数の少ない会社で、一人が抜けると仕事が止まる。この状態をどう防げばいいのか、僕はいま考えている途中です。
「属人化をなくしましょう」は、その通りだと思います。ただ、小さい会社では、なくすことを目標にしなくてもいいのかもしれません。それより、何を人に任せて、何を会社に残すのか。その線を決めるほうが現実的ではないかと考えています。
大企業の組織論が当てはまりにくい
大きな会社は、営業、経理、人事、広報、マーケティングと、役割ごとに専門の担当者を置けます。
人数の少ない会社では、一人が何役も担います。仕事も、お客様との関係も、自然とその人につきます。大企業の組織論をそのまま持ってきても、なかなかうまくいかないと感じるのは、このつくりの違いがあるからだと思います。
人に仕事がつくこと自体を、全部なくそうとしなくていい。僕はそう思っています。
頼れる人がいるのは強み、止まるのは危うさ
会社が頼りきれるくらい強い人がいる。これは小さい会社の強みです。その人にしか「できない」仕事は、会社の価値になります。
困るのは、その人が抜けた途端に会社が動かなくなることです。そうなるのは、その人にしか「わからない」ことが積み上がったときだと思います。
データがどこにあるか。お客様と何を話したか。どういう理由でそう判断したか。いまどこまで進んでいるか。これが本人の中にしかないと、本人がいない日には、進み具合さえ確かめられません。
個人の中にあるものを、少しずつ会社に戻す
会社が育っていくと、個人の中にたまっていたものを、少しずつ会社に戻す必要が出てきます。
頭の中にある情報を共有する。個人のメールにある履歴を、会社で見られるようにする。感覚でやっていた判断を、言葉にする。会社に戻すというのは、こうした積み重ねなのだと思います。
任せる範囲と残す範囲に線を引く
人に仕事がつくことは、小さい会社ではこれからも起きると思います。危ないのは、それが起きていると気づかずにいることのほうです。
その人の技術やお客様との関係は、その人に任せる。データの場所、話した内容、判断の理由、進み具合は、会社が見られる状態にしておく。この二つを分けて決めておけば、強い人に頼りながらでも、その人が休んだ日に会社が止まらずに済むのではないかと考えています。
人に価値は残して、情報は会社に残す。誰かが抜けても続いていく会社を、そういう分け方からつくっていけたらと思っています。