事務職の採用ミスマッチを防ぐには?求人票で伝えたい仕事内容と職場環境
事務職の求人を出すと、ほかの職種に比べて多くの応募が集まることがあります。
応募が多ければ、会社に合う人を採用しやすくなるように思えるかもしれません。しかし、応募者が多いことと、会社に合う人から応募してもらえることは別です。
事務職を希望する理由は、人によって異なります。
「デスクワークをしたい」
「土日休みの仕事を探している」
「パソコンを使った仕事に就きたい」
「人と接する仕事より、一人で進める仕事が合っている」
「家庭と両立しやすそう」
求人票に書かれている情報が少ないと、求職者は限られた情報から、自分なりに働く姿を想像します。
その想像と実際の職場に違いがあると、入社後に「思っていた仕事と違った」「想像より人と関わることが多かった」「求められるパソコンスキルが高かった」といったミスマッチが起こります。
事務職の採用では、応募数を増やすだけでなく、働く姿を具体的に想像できる情報を伝えることが大切です。
「事務職」だけでは、仕事内容は伝わらない
一口に事務職といっても、実際の仕事内容は会社によって大きく異なります。
たとえば、次のような仕事が含まれることがあります。
- データ入力
- 電話や来客への対応
- 見積書、請求書、納品書の作成
- 売上や入金の確認
- 営業担当者のサポート
- 備品の管理や発注
- 社内文書の作成
- 郵便物の発送
- 会議資料の準備
- SNSやWebサイトの更新
- お客様からの問い合わせ対応
同じ「一般事務」という求人でも、一日中パソコンへ入力する仕事と、電話対応や来客対応が中心の仕事では、向いている人も働き方も異なります。
営業担当者と頻繁に連携する仕事であれば、正確な入力だけでなく、相手の状況を見ながら先回りして準備する力が求められるかもしれません。
お客様からの電話を受ける仕事であれば、事務処理能力に加えて、相手の話を聞き、必要な担当者へつなぐ対応力も必要です。
求人票には業務名を並べるだけでなく、何を、誰と、どのように進めるのかまで書くと、仕事の実態が伝わりやすくなります。
「簡単なパソコン作業」は、人によって意味が違う
事務職の求人でよく見かけるのが、「簡単なパソコン作業」「基本的なパソコン操作ができれば可」という表現です。
しかし、何を簡単だと感じるかは、人によって異なります。
文字を入力できればよいと思う人もいれば、Wordで文書を作成したり、Excelで表や関数を使ったりするところまでを基本操作だと考える人もいます。
会社側と求職者側で「簡単」「基本」の認識が違えば、入社後に双方が困ることになります。
必要なパソコンスキルは、実際に行う作業に合わせて具体的に記載しましょう。
たとえば、次のように表現できます。
- Wordの既存フォーマットへ文字を入力します
- Excelの決められた欄へ数字や顧客情報を入力します
- SUM関数を使って金額を集計します
- 既存の表をもとに、月次資料を作成します
- 社内のチャットツールで連絡を取ります
- 専用システムへ受注内容を登録します
- 操作方法は入社後に説明します
可能であれば、使用するソフトやシステムの名前、作業の頻度、入社時点で必要なスキル、入社後に覚えてもらうことを分けて書きます。
何ができれば応募できるのかが分かれば、求職者は自分の経験と照らし合わせて判断しやすくなります。
会社側も、想定していたスキルとのずれを減らせます。
事務職だからこそ、働く環境を具体的に伝える
事務職では、一日の多くを同じオフィスで過ごします。
そのため、仕事内容や条件だけでなく、どのような場所で、誰と働くのかも大切な判断材料になります。
ところが、会社の中にいる人にとって、普段の職場環境は当たり前になっています。
「書くほどのことではない」と思っている情報が、求職者にとっては応募するかどうかを決める材料になることがあります。
たとえば、次のような情報です。
- オフィス内で働く人数
- 同じ業務を担当する人数
- 職場や所属部署の男女比
- 社員のおおよその年代
- 一人で進める仕事と、周囲と連携する仕事の割合
- 電話や来客対応の頻度
- オフィスが新しく、明るく清潔であること
- 個人用のデスクやロッカーがあること
- 休憩できるスペースがあること
- ウォーターサーバーや冷蔵庫、電子レンジが設置されていること
- 服装や髪型に関する決まり
- 車通勤の可否や駐車場から職場までの距離
ウォーターサーバーがあることや、オフィスが新しくきれいであることは、小さな情報に見えるかもしれません。
しかし、このような情報が積み重なることで、求職者は職場で過ごす自分の姿を想像できます。
会社にとっては日常の一部でも、求職者にとっては、職場の雰囲気や社員への配慮を知る手がかりになります。
よく見せるのではなく、判断できる材料を増やす
職場環境を詳しく伝える目的は、会社を実際以上によく見せることではありません。
求職者が、自分に合う職場かどうかを判断できる材料を増やすことです。
たとえば、静かな環境で集中して働きたい人にとって、電話が一日中鳴り、社員同士の会話が多い職場は合わないかもしれません。
一方で、一人で黙々と作業するより、周囲と声をかけ合いながら働きたい人には、その環境が魅力になります。
電話対応が多いことも、隠すべき短所ではありません。
「一日平均で20件ほどの電話を、事務職2名で対応します」と具体的に伝えれば、電話対応の経験を生かしたい人や、人と関わることが好きな人に届きやすくなります。
すべての求職者に魅力的に見せようとすると、表現は曖昧になります。
「アットホームな職場です」「簡単な仕事です」「未経験でも安心です」と書くだけでは、実際の様子が分かりません。
採用で必要なのは、全員に選ばれることではなく、その会社と仕事に合う人が、納得して応募できることです。
求人票を作る前に、現場へ聞いてみる
会社の魅力や職場の特徴は、経営者や採用担当者だけで考えても、十分に見つからないことがあります。
実際にその職場で働く社員へ、次のようなことを聞いてみましょう。
- 入社前に知っておきたかったことは何か
- 一日の中で最も多く行う仕事は何か
- 忙しくなる時間や時期はいつか
- どのような人と連携することが多いか
- この職場で働きやすいと感じるところは何か
- 他社で働いた経験がある人から見た、この会社の違いは何か
- 事務職の仕事が、会社やお客様にどう役立っているか
社員にとっては当たり前になっている習慣や環境の中に、求職者が知りたい情報が隠れていることがあります。
実際に働く人の言葉を集めることで、求人票だけでなく、採用サイトや面接で伝える内容にも具体性が生まれます。
情報を増やすことが、応募後の安心につながる
情報を詳しく書くと、応募者が減るのではないかと心配になるかもしれません。
しかし、合わない人からの応募を集めることよりも、仕事内容や環境を理解したうえで応募してもらうことのほうが、入社後の定着につながります。
会社の中にいると、自社の魅力や特徴は見えにくくなるものです。
Think for Designでは、経営者や社員へのヒアリングを通して、社内では当たり前になっている会社の魅力を見つけ、求人票や採用サイトで伝わる言葉へ整えます。
求人票へ何を書けばよいか分からない、自社ならではの魅力が見つからないという場合は、現在の職場や仕事を整理するところからご相談ください。