ブランディング

選ばれる理由は”品質”じゃない。

written by 中村 弘樹

「うちはちゃんと品質で勝負しているのに、なかなか選ばれない」。そんな声を、現場でよく耳にします。

でも、僕はこう思っています。ブランドが選ばれるのは、品質の高さではなく、「思い出される瞬間に立っているかどうか」です。

ブランドは「ニーズの引き金」に立っている

たとえば、レッドブル。「もうひと頑張りしたいとき」に、多くの人がパッと思い浮かべる飲み物です。これは偶然ではなく、長い時間をかけて意図的につくられたポジショニングだと思います。

ブランディングは、味や価格を競うことではありません。「このニーズが立ち上がった瞬間に、まずあなたの会社が思い出される」。その状態をつくりにいく仕事です。

ブランドイメージとは「思い出され方」のこと

ブランドイメージというと、「高級感」「安心感」みたいな抽象的な印象を思い浮かべるかもしれません。でも、僕はもう少し具体的にとらえています。

大事なのは、欲求が立ち上がった瞬間に、脳内の候補にあなたの会社が並ぶかどうか。日常のニーズの引き金に、ちゃんと結びついているか。それが、本当の意味でのブランドイメージだと思います。

逆から考えると、設計が見えてくる

そう考えると、ブランドづくりはまず、「自分たちはどんなニーズに紐づきたいか」を言葉にするところから始まります。

たとえば、「経営者が一人で悩む夜に、思い出される存在になりたい」。「お客さまの心が少しほぐれた瞬間に、相談先として浮かびたい」。こうやって具体的な場面まで落とすと、つくるべき発信や接点が見えやすくなります。

「いいサービスです」だけでは、足りない

品質、対応、実績。これらはとても大切ですが、それ自体はスペックの話で、ニーズではありません。

感情と結びついていない情報は、なかなか記憶に残ってくれないんですよね。「いいサービスがある会社」ではなく、「あの場面なら、あの会社に相談したい」と思ってもらえるかどうか。ここに、ブランドの強さの差が出てきます。

使われる場面で、ブランドは決まっていく

つくり手側は、つい「うちは何ができるか」を語りたくなります。でも本来、ブランドが立ち上がるのは、お客さまが「使う場面」のなかです。

どんな一日の、どんなタイミングで、自分たちは思い出されたいのか。そこを丁寧に設計していくと、ブランドは自然と「比較されにくい場所」に立てるようになります。品質の前に、まずは「ニーズの引き金」を見直してみてほしいと思います。

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