WEBサイトとブランディングの関係性
written by 中村 弘樹
「WEBサイトをリニューアルしたいんです」というご相談をいただくと、僕はその前に「どんなブランドとして見られたいですか?」とお聞きするようにしています。
サイトは情報を載せる入れ物のように思われがちですが、実際にはブランドを体験してもらう、いちばん重要な接点のひとつだからです。
WEBサイトは「第一印象」をつくる場所
初めて訪れた人が、サイトの印象を判断するのは数秒だと言われています。実際の現場でも、「ファーストビューを見た瞬間に、お問い合わせしようか迷うかが決まる」という感覚はとても強いです。
整っていて、空気感が伝わってくるサイトほど、信頼の入り口を広げてくれます。ここを軽く扱うのは、もったいないなといつも思います。
「らしさ」は、デザインで伝わる
ロゴ、色、フォント、写真、間の取り方。デザインのひとつひとつは、言葉以上にブランドの個性を語っています。
同じ会社のサイトでも、トーンの選び方ひとつで「親しみやすい会社」にも、「ピリッとしたプロフェッショナル」にも見えます。だからこそ、見た目だけ流行りに合わせるのではなく、自社のブランドの軸とそろえることが大事だと感じます。
「何を伝えたいか」を、丁寧に言葉にする
サービスの説明をきれいに並べるサイトは、もう珍しくありません。差が出るのは、その奥にある「事業の想い」と「お客さまへの価値」が、ストーリーとして語られているかどうかです。
なぜこの会社を始めたのか。誰のどんな状態を変えたいのか。ここが言葉になっているサイトは、不思議と長く読まれます。読みやすさは、文字の大きさよりも、想いの解像度で決まる気がします。
サイトは「読む」場所ではなく「体験する」場所
もう一歩進めて、僕はサイトを「ブランドを体験してもらう場所」ととらえています。読むのではなく、雰囲気や空気感を浴びてもらう感覚です。
写真の選び方、動きの落ち着き方、言葉のテンポ。これらが噛み合っているサイトは、訪問するだけで、ブランドの世界に少し入り込んだような感覚になります。
ブランドが強いほど、サイトの価値も上がる
結論を言ってしまうと、サイトの良し悪しは、デザインの良し悪しではなく、その奥のブランドの強さで決まります。
ブランドの軸が定まっていれば、サイトに乗せる言葉や写真の選び方が自然と決まり、体験の一貫性も生まれます。WEBサイトとブランディングは別ものではなく、同じ仕事の表と裏。僕はそう考えています。